早稲田大学情報教育研究所
Institute for Digital Enhancement of Cognitive Development, Waseda University

構成員

研究概要

 情報教育研究所は2000年12月から2005年11月までの第一期では広義の『情報教育』(教育の情報化・情報教育の課程化)に関する研究を通じて、国際情報社会における自己学習と集合学習のあり方を探り、2005年12月から2010年9月までの第二期では携帯端末を利用した ubiquitous learningとlearning management systemの普及を前提として、自律的相互学習を促す学習環境を実現するための情報通信技術活用について研究を進めた。2010年10月から2015年9月までの第三期では、文部科学省・日本学術会議での『学士力』や経済産業省の『社会人基礎力』など大学教育の卒業要件に関する議論を踏まえ、CEFR(言語の学習・評価・教育に関する欧州共通参照枠組み)やOECD のPISA (Programme for International Student Assessment) などを出発点とし、can-do statements に基づく教科内容の明確な提示とポートフォリオなどの学習履歴・学習活動の過程と成果の蓄積・分析・活用を実現するための情報技術の応用可能性と自律的相互学習を促す学習環境の構築に関する研究を推進しつつ、自己調整学習の動向についての調査から国際バカロレアの「知識の理論」が教養教育に持つ意義についての検討を重ねてきた。

 情報教育研究所の研究活動は、大学入試改革と「高大接続」に関する中教審答申を先取りするものであり、2015年10月から2020年9月までの第四期においても従来からの研究活動を継続しつつ、その成果を早稲田大学の入試改革に活用する方策を検討する。2020年度までに入学者選抜の在り方が変わる中で、他の教科に先行して英語4技能試験を活用する方策が求められているが、これまでの研究活動から得られたデータから、大学生の英語に関する語彙・文法の知識とこれをスピーキング・リスニングなどのリアルタイムの活動で活用する能力とに大きな乖離が生じていることが明らかとなっているため、このギャップを埋める自律的相互学習の方法論を確立することに焦点を与える必要がある。語学教育・情報教育・教養教育の統合、研究(データ収集)学習(訓練)の統合、校種間(特に高校と大学)の緩やかな連携と滑らかな接続を中心に今期の研究活動を進める。


2015年度研究報告

注意事項